海外のニュースを見るたびに、
「自分には関係ない」と思ってしまうことはないだろうか。
でも、その“どこか遠い国”に、実は日本が深く関わっているとしたら──?
地理という視点から世界を見てみると、
私たちが思っているよりも、日本はずっと多くの場所に根を張ってきたことに気づく。
🍫ガーナ──“チョコレートの国”に、野口英世がいた

ガーナと聞くと、多くの人はロッテの板チョコを思い浮かべる。
でもその国に、かつて日本の医学者が命をかけて滞在していたことは、あまり知られていない。
野口英世。
黄熱病の治療法を探し求めて、彼がたどり着いたのは西アフリカのこの国だった。
治療法を見つけるまで日本に帰らない──そう決めていた彼は、現地で研究を続け、
やがてその病に倒れ、帰らぬ人となった。
いまもガーナの首都アクラには「野口記念医学研究所」があり、
日本とガーナの縁を静かに語り続けている。
🚢ブラジル──地球の裏側にある“もう一つの日本”

世界で最も多くの日本人のルーツを持つ人が暮らしている国、
それがブラジルだということを、知っている人はどれほどいるだろう。
1908年、たった一隻の船「笠戸丸」に乗って、
貧困と将来の不安から逃れるように海を渡った日本人たち。
その多くは農村出身で、異国の地で人生をやり直そうとしていた。
しかし現実は、甘くなかった。
言葉も文化も通じず、働き方も過酷。
それでも彼らは帰らなかった。
土地に根を張り、家を建て、子を育て、
“日系人”としての誇りを胸に、ブラジルの社会に溶け込んでいった。
今ではその数、200万人を超える。
遠い南米の国で、静かに、そして確かに、“もう一つの日本”が生きている。
イタリア──似ているからこそ、見えてくる“違い”

イタリアと日本は、地図を見れば見るほど似ている。
火山、地震、温泉、細長い国土、海に囲まれた地形。
でも、その上に立つ人々の文化は、驚くほど違う。
イタリアでは、人と人との距離が近い。
街のカフェでは見知らぬ人とも気軽に会話が始まり、
表情豊かに、声を交わす。
一方、日本はどこか静けさを大切にする。
言葉よりも空気を読む、周囲を気にする、そんな文化が根付いている。
それはたぶん、自然災害が多く、共同体の中で助け合って生きてきた島国だからこそ。
だからこそ、「他人を気遣うこと」は、生きるための知恵だったのかもしれない。
似ているからこそ、その“違い”が際立つ。
だからこそ、どこか惹かれてしまう。
日本とイタリアは、“地理的な双子”でありながら、
まったく違う“心の在り方”を育ててきた。
📖この本が見せてくれる“地理”は、生きている

この本は、単なる知識の羅列ではなく、私たちが「世界をどう見つめるか」を問いかけてくれる構成になっている。
アジア、アフリカ、ヨーロッパ、アングロアメリカ、ラテンアメリカ、オセアニア、南極──
地域ごとに章が分かれており、それぞれの土地の自然環境、歴史、民族、経済、そして政治まで幅広く網羅している。
しかも、それぞれの国がどのように発展し、どんな課題を抱えてきたのかが、図解や地図とともに解説されているから、
読みながら自然と「そうだったのか」と膝を打つことも多い。
学校の教科書とはまったく違う、「生きた地理」がそこにある。
✈️あなたも、世界の中の“日本”を探してみませんか?

このブログで紹介したのは、『世界の今がわかる「地理」の本』のほんの一部。
他にもアジア、中東、ヨーロッパ、アフリカ、南極に至るまで、
たくさんの国と地域が、驚くほど“日本”と関わっている。
そしてその関係の中には、
ニュースでは伝わらない人々の人生や、
目に見えない絆が隠れている。
📚この一冊が、きっとあなたの世界を少しだけ広げてくれる。
「地理って、こんなに面白かったんだ」と思える瞬間が、そこにある。
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