
「スマホ1台に30万円も出す時代になったのか…?」
そんな嘆きがSNSを騒がせたのは、2025年春。
Appleの最新iPhoneがついに30万円を超える価格で販売されるというニュースに、日本だけでなく世界中が驚きました。
「円安のせい?」「Appleの強気?」
確かにそれも一因ですが、**その背景にある“もっと大きな爆弾”**に、あなたは気づいていますか?
◆ こうした価格高騰の裏には、トランプ前大統領の“関税爆弾”が存在する。
再び大統領選に名乗りを上げたドナルド・トランプ前大統領は、
世界に向けてとんでもない政策を打ち出しました。
なんと、185か国の全輸入品に対して一律10%以上の関税をかけるというもの。
さらに**中国に対しては最大104%の“関税爆弾”**を発動。
これにより、スマートフォンや半導体、衣料品、家電、さらには自動車まで、
私たちの生活に欠かせない輸入品の多くが大幅に値上がりし始めているのです。
◆ 私たちの財布を直撃する「関税戦争」
この動きに対し、中国やインド、EU諸国も報復関税を準備しており、
**“第二の世界貿易戦争”**とも言われる状態に。
その余波で、
- 食品や日用品の値上げ
- 中小企業のコスト圧迫
- 輸出入停滞による雇用不安
など、まさに**庶民の暮らしが“じわじわと壊されていく”**様子が見えてきます。
◆ なぜトランプはそこまで“関税”にこだわるのか?
ここで素朴な疑問が浮かびます。
なぜトランプ前大統領は、ここまでして世界中に強硬な関税を課すのでしょうか?
なぜ各国との摩擦を恐れず、あえて“アメリカ第一”を貫こうとするのでしょうか?
その背景には、彼なりの明確なロジックがあります。
それは、**「他国との自由貿易がアメリカの産業を衰退させた」**という強い問題意識。
グローバル経済の進展により、国内の工場が閉鎖され、雇用が奪われ、
製造業の“誇り”が崩れていったと、彼は感じているのです。
だからこそ、トランプは「関税」という手段を用いて、
アメリカ国内への生産回帰(リショアリング)と雇用の復活を目指しているのです。
では、なぜ彼はそこまで“守ること”“取り戻すこと”に執着するのか?
その根底には、**幼少期から培われた「勝利への執念」と「負けを認めない性格」**があるのかもしれません。
本書では、そんなトランプの人格がどのように形成されたのかを、
少年時代からのエピソードを交えて丁寧に描いています。
◆ 「お前は王になる」──少年トランプに刻まれた“勝者の論理”
そんな“アメリカを守るためには闘いも辞さない”という彼の信念は、
実は幼少期からの価値観に根ざしているのかもしれません。
ドナルド・トランプは、裕福な家庭に生まれましたが、
決して“甘やかされたボンボン”ではありませんでした。
父・フレッド・トランプは、不動産業で成功した実業家。
その一方で、家庭では非常に厳格で、ドナルドに対しては常にこう言い聞かせていたといいます。
「お前は王になる。他人に負けるな。誰よりも上に立て」
兄や姉よりも特別扱いされ、期待を一身に背負った少年トランプは、
やがて「勝たなければ意味がない」という思考を強めていきます。
しかしその結果、学校では手に負えない問題児に。
ついには**軍隊式の全寮制学校「ニューヨーク・ミリタリー・アカデミー」**に送られ、
厳しい上下関係と競争の中で“勝者としての生き方”を徹底的に叩き込まれていくのです。
彼が手にしたのは、“勝利こそすべて”という、シンプルで冷酷な哲学でした。
◆ 誰も見向きもしなかったホテルを“黄金の塔”に変えた若き勝者
軍隊式教育で“勝つことの意味”を学んだトランプは、大学卒業後、父の跡を継いで不動産の世界に足を踏み入れます。
しかし彼が目指したのは、父のように堅実な賃貸住宅業ではなく、“マンハッタンで一発逆転を狙う”華やかな開発ビジネスでした。
その最初の挑戦が、**1970年代、誰もが見放した「コモドー・ホテル」**の再生プロジェクト。
ニューヨークの経済が低迷し、街が荒廃していたこの時期、
ボロボロの老朽ホテルに投資しようと考える人は皆無でした。
しかしトランプはここに**「勝てるチャンス」**を見出します。
政治家との太いパイプを使い、銀行には巧妙なプレゼンで未来の価値を売り込み、
必要があれば事実を大げさに伝え、相手にプレッシャーをかけることも辞さない。
それは“交渉”というより“戦術”に近いスタイルでした。
まさに、**目的のためには一切手段を選ばない「勝利至上主義」**の実践だったのです。
その結果、老朽ホテルは見事に生まれ変わり、
やがて**「トランプ・タワー」**という彼の名を冠した巨大ビルがマンハッタンにそびえ立つことになります。
この成功体験は、彼にとってビジネスの勝利以上に、**「自分の信じるやり方で世界を動かせる」**という強い自己確信につながりました。
◆ 嘘もスキャンダルも“宣伝”に変えるメディアの魔術師
「トランプ・タワー」の成功で名を上げたドナルド・トランプは、次に**「名前そのものが価値を持つ」という新たな武器に気づきます。
それが、“有名になること”=“金になること”**というシンプルな公式でした。
例えば、彼は「チャールズ皇太子とダイアナ妃がトランプ・タワーの部屋を検討している」といった
完全なガセネタを自ら流して話題を作ったといいます。
事実であるかどうかは問題ではない。注目を集めることこそが最優先だったのです。
さらに、モデルとの結婚、不倫報道、泥沼の離婚劇──
普通ならイメージダウンになりそうな出来事すらも、
トランプにとってはすべてが“宣伝材料”でした。
彼はメディアに取り上げられることで、自らの“ブランド価値”を上げ続け、
ついには著書『The Art of the Deal』をベストセラーに押し上げます。
「悪名でもいい。有名でさえあれば」
という信念のもと、彼は“メディアに出ること”を何よりも重視し、
常に自分を“話題の中心”に置き続けるのです。
こうしてトランプは、単なる不動産王から**“現代の話題王”**へと変貌を遂げました。
◆ なぜ政界へ? 100年前の大統領に重ねた“アメリカの夢”
1999年、彼は突然「大統領選に出馬する」と宣言します。
そして2016年、ついに本当にアメリカ大統領の座に就くのです。
その背景には、「搾取されるアメリカを取り戻す」というメッセージだけでなく、
ある一人の大統領への憧れがありました。
それが、19世紀末の大統領ウィリアム・マッキンリー。
マッキンリーは、**高関税政策によってアメリカの産業を守りつつ、
戦争を通じて海外へと進出した“帝国主義の象徴”**とも言える存在。
トランプが「グリーンランドを買いたい」「パナマ運河を取り返したい」と語るのも、
マッキンリーの外交戦略を彷彿とさせます。
彼にとって“関税”とは、ただの経済政策ではなく、
アメリカの力を世界に見せつけるための武器であり、
かつての「強いアメリカ」を取り戻すための手段だったのです。
◆ トランプをもっと深く知りたい人へ──おすすめの一冊
トランプの言動は、時に突飛で理解し難く見えるかもしれません。
けれど本当に大切なのは、「なぜ彼がそうするのか」を知ること。
そのヒントを与えてくれるのが、大統領公式伝記作家としても知られるダグ・ウィードによる評伝、
📘**『トランプの真実』** です。
この本では、トランプの家族関係、ビジネスの裏側、ホワイトハウス内での葛藤、
そして彼の世界観がどのように形づくられていったのかを、
本人とその周囲への徹底取材を通して浮き彫りにしています。
印象的なのは、彼が単なる“強権的なリーダー”ではなく、
家族の忠誠、報道への不信、そして“アメリカという国の再建”という使命感に突き動かされていたこと。
暴言・スキャンダルだけでは見えない、
“トランプという人間”の複雑な内面と信念を知ることができる一冊です。

▼結びに:私たちは“どんなリーダー”を選ぶべきなのか?

ドナルド・トランプの「関税戦争」は、世界を巻き込みながら、
静かに、しかし確実に私たちの日常にも影を落としつつあります。
高関税、物価上昇、経済摩擦──
すべての裏にあるのは、一人の男の思想と信念、そして人生です。
そして今、また彼は大統領選に戻ろうとしています。
彼が何を守り、何を攻め、何を手放さないのか。
その“本質”を知ることが、これからの時代を読み解く鍵になるのではないでしょうか。
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